全館空調で後悔しないために知ってほしい5つのこと

全館空調は大手メーカーを中心に「どの部屋も温かく&涼しくて快適」という魅力でアピールされる冷暖房の方法です。もちろん廊下や洗面室、脱衣室まで快適で、ドアレスにして家全体を1つの空間として使えるのは大きなメリットです。

でも実際に使った人の声を集めてみると、あらかじめ知っておいてほしい注意点が浮かんできます。

お手入れ

全館空調はマメに掃除をする必要があり、特に虫が苦手な方は要注意です。全館空調は換気システムも兼ねているので、外の空気を家の中に取り入れます。その外気をキレイにするフィルターを掃除しなければなりません。メーカーによって違いますが、1〜2ヵ月に一度を推奨頻度にしているところが多いようです。

空気をキレイにするフィルターとは別に虫取りフィルターもあり、こちらも定期的に掃除が必要です。住む環境によりますがかなり虫がびっしり取れているときもあり、虫が苦手な方は要注意です。

※空気をキレイにするフィルターと虫取りフィルターが一体になっているシステムもあります。

エアコンは台数があると手間がそれだけかかりますが、虫がたまることはありません。実はエアコンもフィルター掃除は2週間〜1ヵ月程度が推奨になっているのは知っておいてほしいです。ただ自動で掃除する機能が付いたエアコンを選べば、何年かに一度程度の掃除で済みます。

修理費

どんなものでも機械であれば必ず故障して保証が切れていれば修理費がかかります。小さな部品交換程度なら2〜3万円程度だと思いますが、モーターや基盤など複雑な部分の交換になれば10万円近いこともあるでしょう。

ただ一番痛いのは寿命がきたときの本体交換で、製品代と交換工事費で200万円くらいかかることもあります。突然壊れて車一台分のお金を払うことになったら、かなり大変ではないでしょうか。全館空調を付けるかどうかは、住宅メーカーの人に必ず具体的な交換費用を聞いてから判断することをおすすめします。

維持費

普段使うときに継続してかかる維持費で注意したいのがフィルター代です。全館空調はフィルターが複数使われていて、換気口部分のフィルターが半年〜1年に1回の交換で5,000円〜1万円くらい、空調機本体にあるフィルターが1〜2年に1回の交換で2〜3万円かかります。

他にもフィルターがあり3〜4種類も交換が必要なメーカーもあります。初めの1〜2年のフィルターはサービスというところもありますが、その後は有料で年に4〜5万円は必要になります。

また全館空調はメーカーメンテナンスが年に1回などに必要としている会社もあります。こちらも最初の1〜2年目は無料というところもありますが、その後は有料になり1回で2〜3万円かかります。フィルター交換も含めると6〜8万円くらいは年間でかかるため、採用するときは事前にしっかり確かめておきましょう。

こうしたメンテナンスを住むうちにだんだんやらなくなる人もいるのですが、故障したときに保証期間内でも「メンテナンスをしていなかったことが原因なので保証できません」と有料になる可能性があるので注意しましょう。

温度管理

全館空調を実際使ってみた人の声でもっとも多い不満が、部屋ごとに温度を変えられないことです。リビングは冷房の温度を低めにしたけど、娘さんの部屋はそこまで温度を下げたくないといった場合に融通がききません。

メーカーの中にはオプションですが部屋ごとに温度調整できるものもあります。ご主人は暑がり、奥さまは寒がりでエアコンの温度設定でよく意見がわかれる、というお宅はそうしたモデルを選ぶと良いでしょう。

ランニングコスト

全館空調のランニングコストを実際に建てた方のブログなどで拝見すると、35坪くらいの単世帯のお宅で夏が1万5千円〜2万円程度、冬が2万5千円〜3万円程度の電気代(オール電化で冷暖房以外の電気代も含む)が多くなっています。

エアコンで冷暖房するお宅に比べると5千円程度高いように感じますが、これは家全体を冷暖房していることに原因の1つがあると思います。エアコンなら使っていない部屋を切ることで電気代をかからないようにできますが、全館空調はそうしたことができません。

全館空調のセールストークの中に「冷暖房はできるだけ切らない方が省エネ」というのがありますが、それは短時間でオン・オフをした場合と比べての話です。一日誰もいない部屋なら冷暖房をしない方がランニングコストはかかりません。

また全館空調の資料で「全館空調ではない家に比べ◯%も電気代がお得」という宣伝文句を見かけます。しかし比較対象が平成11年に定められた、「次世代省エネ基準」という20年以上前の家と比べているメーカーもあるので注意しましょう。全館空調ではない今の高気密高断熱の住宅と比べると、それほど省エネにならないと思います。

ただ全館空調はランニングコストがかかるのは仕組み的に仕方のないことで、廊下やホール、洗面室や脱衣室が快適になるために避けられないコストと考えた方が良いでしょう。

広告

設備
スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました