【思ってたのと違う…】吹き抜け照明でやらかす4つの失敗と対策を写真付きで解説

「吹き抜けにおしゃれな照明を付けたのに、なんか思ってたのと違う…」こうした後悔の声は、意外とよく耳にします。新築で吹き抜けを採用する方が増える一方で、照明に関する失敗は後を絶ちません。

この記事では、吹き抜け 照明のよくある失敗例と原因、そして簡単にできる対策まで、わかりやすく紹介します。

照明器具の種類

次の5つの照明器具の種類を知っておくと、この先の説明のわかりやすさが全然違ってくるので、ぜひ覚えておいてください。

ダウンライト

天井に埋め込むタイプの照明器具です。

ペンダントライト

天井から吊り下げるタイプの照明器具です。

シーリングファンライト

風を循環させる「シーリングファン」の中央に取り付けられた照明器具です。

ブラケットライト

壁に付けるタイプの照明器具です。

壁に付けられたブラケットライトの画像

 

スポットライト

光を一点に集中させて照らす照明器具です。

天井に取り付けられたスポットライトの画像

吹き抜け照明でありがちな失敗4選

まず吹き抜け照明でありがちな失敗を4つと、それぞれの予防策を紹介します。これを押さえておくだけでも、吹き抜け照明の失敗をかなり防げるはずです。

1.思ったより暗い

一番よく聞く吹き抜け照明の失敗が、この「思ったより暗い」です。
吹き抜けは天井が高いため、照明の光が床まで十分に届かず、思ったより暗く感じることがあります。

一般的な部屋の天井高は2.4mほどですが、吹き抜けは5〜5.5mと約2倍。この高さの違いが、照明を暗く感じさせます。

普通の天井の高さの照明と、吹き抜けの照明の高さの違いを表す図

対策①:明るめの照明器具を選ぶ

吹き抜け照明が暗いのを防ぐには、シンプルですが通常より一段階明るめの照明器具を選ぶことが効果的です。家が完成してから暗いことに気づいても、後から明るくするのはかなりのお金がかかります。

照明の明るさを調整するリモコンの画像

「明る過ぎたらどうしよう…」と心配に思うかもしれませんが、明るさを調節できる「調光機能付き」照明を選べば問題ありません。スイッチやリモコンの操作で明るさを下げられ、追加費用は数千円程度とお手頃です。

注意:数を増やすとデザインがイマイチに…

ただ、照明の数を増やして明るくする方法は慎重に検討してください。

天井に照明が多すぎると、ゴチャついた印象になり、空間のデザイン性が損なわれることがあります。近年はシンプルな内装が主流なので、照明は少なめがおすすめです。

照明の数を増やすよりも、1つひとつを1段階明るめにしたほうが、見た目と明るさのバランスを取りやすくなります。

対策②:壁付け照明を追加する

吹き抜けで照明が暗く感じるのは、天井が高すぎて人がいるところまで光が十分に届かないためです。そこで、吹き抜けの中間の壁に、スポットライトやブラケットライトを取り付け明るさを補います。

この方法なら「天井が照明だらけ」になる心配もなく、デザイン性を保てます。しかも、吹き抜けの天井より低い位置なので、はしごで交換・修理が可能になり修理費を抑えられます。

2.修理・交換の費用が高い

吹き抜けの天井に付けられた照明の修理や交換は、個人的には「吹き抜け照明の最大の欠点」ではないかと思っています。

5mほどある吹き抜け天井の照明の修理や交換は、専門業者に依頼してリビング内に足場を組んで行います。

広さにもよりますが、足場の費用は5万円〜15万円ほどかかります。照明器具の交換費用も合わせると、20万円を超えることも珍しくありません。

吹き抜けのあるリビングに足場を設置した画像

対策①壁付け照明を検討する

現在、新築住宅で使われる照明は、ほぼ100%がLEDで寿命は10年前後のため、交換はかなり先なのが救いです。それでも、ある日突然「照明交換と足場代で30万円かかります」と言われたら、かなり痛い出費じゃないでしょうか。

吹き抜けの天井ではなく、中間の高さの壁に、ブラケットライトやスポットライトを付けることを検討してみましょう。この高さなら、修理や交換のときに足場が必要ないため、費用を抑えられます。

対策②:まとめて交換する

吹き抜け照明の修理費を抑えるなら、まとめて交換するのがおすすめです。

照明を1個交換するたびに足場を組んでいたら、それだけでとんでもない費用がかかってしまいます。そこで、「まだ切れていないけれど、そろそろ寿命かもしれない」と判断し、他の照明もまとめて交換してしまうわけです。

一度に交換すると、そのときの出費はやや大きくなりますが、長い目で見ればそのほうが結果的に安上がりです。

費用を確認しておこう

吹き抜け照明の交換費用は、事前に確認しておきましょう。

足場の設置費用は、設置面積や吹き抜けの高さによって変動します。また、照明器具の費用も、個数やタイプ、形状によって変わります。

あらかじめ費用感を把握しておくと、将来の出費に備えられるだけでなく、「そもそも吹き抜け天井に照明を付けるべきかどうか」という判断材料にもなります。

3.ホコリが積もりやすい

吹き抜けの照明は掃除がしにくいことを表す画像

吹き抜けの照明には、「ホコリが積もりやすい」という欠点があります。照明が非常に高いところにあるため、簡単には掃除ができません。

特に注意したいのが、羽根の上にホコリが積もりやすい、シーリングファンライトです。

夏や冬に久しぶりに回転させると、オフシーズンの間に羽根に積もったホコリが、まるで雪のように舞い降りてきます。

対策①:ホコリが積もりにくい照明を選ぶ

掃除のしやすさを重視するなら、ホコリが積もりにくい形状の照明を選びましょう。天井に埋め込まれるダウンライトは、ホコリが積もる心配がほとんどありません。

また、円錐形や縦長のスリムな形状の照明も、ホコリが積もりにくく、風で舞い降りてくるようなことはないでしょう。

対策②:手が届きやすい照明を選ぶ

照明を吹き抜けの天井に付けるのではなく、壁付のブラケットライトやスポットライトにすれば、はしごで届く高さになるので掃除ができます。

もし天井付けのペンダントライトやシーリングファンライトを選ぶ場合は、電動昇降装置を併用する方法もあります。電動昇降装置は天井に設置し、そこに好みの照明器具を取り付けます。

照明はワイヤーで吊られていて、リモコン操作で手の届く位置まで下ろせます。これにより、普段は高い所にあっても掃除や修理がしやすくなります。

4.圧迫感が出やすい

吹き抜けの照明に、ボリュームのあるデザインのペンダントライトを選ぶと、圧迫感が出てしまうことがあります。ペンダントライトは天井から下がった位置にくるため、思った以上に大きく見えやすく、吹き抜けの開放感を邪魔してしまう可能性があります。

特に注意したいのが、モデルハウスで見て気に入った照明をそのまま採用するケースです。モデルハウスは空間が広いため、大きなペンダントライトでもあまり圧迫感を感じません。

しかし、現実的なサイズの家の吹き抜けでは、予想以上に大きく感じてしまう恐れがあります。

対策①大きさを感じにくい器具を選ぶ

吹き抜けに付けるペンダントライトは、シンプルで細身のデザインのものを選ぶと、圧迫感が少なくなります。

あるいは、白やベージュ系の明るい色や、ガラスやアクリルといった透明感のある素材のものを選ぶのも効果的です。存在感が和らぎ、吹き抜けの開放感が損なわれません。

対策②:数を少なめにする

複数のペンダントを取り付ける場合は、3~4灯程度にして、数を少なめにしましょう。明るさが足りない場合は、1つの照明を明るめにしたり、周囲の壁にブラケットライトを付けたりして補います。

失敗しやすい原因と3つの解決策

吹き抜け照明が失敗しやすい最大の原因は「完成後のイメージがしにくい」からです。

住宅の打ち合わせでは、図面やカタログをもとに照明を決めますが、吹き抜けのように天井が高い空間では、光の広がり方や器具の見え方を正確に想像するのは難しいものです。

たとえ「ここに照明を付ければ十分」と担当者に言われても、明るさや存在感がイメージしにくく、完成後に「暗い」「器具が大きくて圧迫感がある」といったギャップが生まれる恐れがあります。

こうした失敗を防ぐには、次の3つの対策がおすすめです。

①シミュレーションを活用する

照明の見え方を、コンピューターでシミュレーションできる住宅会社もあります。

吹き抜けのような高い天井でも、光の届き方や明るさを事前に確認できるため、完成後のイメージ違いを防ぎやすくなります。

注意したいのは、その場でシミュレーションできるかどうかです。自社でツールを持つ会社なら、照明器具や位置を変更しても、すぐにシミュレーションをしてその場で確認できます。

一方、照明メーカーにシミュレーションを依頼して作る会社では、その場で変更の確認ができず、完成後に「思っていたのと違う」という失敗につながる恐れがあります。

できるだけ、リアルタイムで確認できる体制が整っている会社を選ぶと安心でしょう。

②実例を見学する

照明のイメージ違いを防ぐには、モデルハウスで実際の照明を見せてもらうのも有効な方法です。

同じような吹き抜け空間に設置された照明を実際に見ることで、「明るさは十分か」「照明器具の大きさや位置は適切か」などを、体感しながら確かめられます。

完成後のギャップを減らすには、図面や写真だけでなく、実際に近い環境で確かめておくことが大切です。

③後から調整できる「余白」を残す

吹き抜け照明で失敗しないためには、住んでから明るさや配置を調整できる余地を残しておくことも大切です。

たとえば、スポットライトを設置する場合に「ダクトレール」を使っておけば、後から照明の位置や数を柔軟に変更できます。

また、「調光機能付き」の照明を選んでおくと、時間帯やシーンに応じて明るさを調整できるため、「暗すぎた」「明るすぎた」といった失敗を防ぎやすくなります。

最初から完璧を目指すより、微調整できるようにして、あとからイメージとのギャップを埋めていくという発想です。

照明の成功は住宅会社選びがカギ

吹き抜け照明は、空間のデザイン性を高めてくれる効果的なアイテムです。ただし、完成後のイメージが難しく、「思っていたのと違った」と後悔するケースも少なくありません。

こうした失敗を防ぐには、照明シミュレーションをしっかり行ってくれる住宅会社を選ぶことが大切です。

また、将来の修理や交換に足場が必要となり、予想以上の費用がかかることもあります。事前に費用の目安を確認しておくと、修理の際に慌てずに済むでしょう。

吹き抜け照明は、住んだ後のことを丁寧にアドバイスしてくれる住宅会社かどうかが、成功のカギを握ります。契約前の打ち合わせ段階で、そういった姿勢を持っているかチェックしましょう。

間取り
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