新築の外構見積もりをいつ頼むか調べると、着工前、着工後、足場が取れてから、などと様々です。
どれも間違いではありませんが、それは造る側の都合でお客さんが希望する外構を実現するには足りません。
今回の記事を読んでいただければ、いつ外構の見積もりを取れば予算オーバーを防ぎ、家と外構をバランスよく予算内で計画できるかがわかります。
住宅営業マン20年の管理人が、お客さんの側にとっての外構見積もりを取るベストなタイミングをお伝えします。
着工前後の見積もりだけでは予算オーバーは防げない
外構の見積もりをいつ取るべきか調べると、基礎着工前や着工直後、あるいは足場が取れてからなど、工事開始から終盤というアドバイスがほとんどです。
これは正確な見積もりを作るためには正解で、建物配置や地面の高さや配管位置が決まってないと作れないからです。
確かにこの段階ではいくらお金を準備すれば良いか把握したいので、正確な見積もりは必要です。
しかしこれだけでは予算オーバーを防ぐことは出来ません。
見積もりは契約前と着工前の2回取る
ほとんどの方は予算の総額、あるいは月々◯万円以下の支払いにしたい、という希望があると思います。
そのためには外構も家と同様に契約前におおまかでも金額を知り、外構、家を合わせた総額を予算内に収めなければいけません。
もちろん家の配置も地面の設計高さも決まっていないので正確な見積もりは作れませんが、カーポート、門、塀、ウッドデッキなど家の完成時に作っておきたいものをピックアップし、大まかな予算を知っておくことが大切になります。
正確なプランでなくても良いので過去の事例で希望に似たもので作ってもらうか、記事の下で紹介しているタウンライフのようなネット見積もりサービスを利用して調べましょう。
絶対にやっておきたい外構があれば予算に収まるような建築会社を探す必要がありますし、どうしても建てたい家で予算がかかるなら、ウッドデッキはお金を貯めてからにしよう、と計画を立てることができます。
これを知らずに契約してしまい、図面決定のころに「外構はどうします?」と言われても予算がなく「空き地に家だけ建っている」という状態になってしまいます。
外構もローンを組みたい人は着工前後では遅い
外構でもローンを組みたい人は、着工前後ではなくローン審査を行う図面決定時までに正確な見積もりを取っておく必要があります。
もしローンが借りられるか心配な方は契約前に審査をするので、やはり大まかな見積もりを契約前に手に入れておくと良いでしょう。
家の着工時や完成時期ではローンの申し込みは終わっているので、外構もローンとなると金利が高いガーデンローンなどを使うか、あるいはローンを断られる場合もあります。
家と外構を一緒のローンで組めれば長期低金利なので、非常に少ない支払いで済みます。
このメリットを活かすためにも早めに見積もりを取っておくことが必要になるのです。
なぜ契約前に外構見積もりの話しをしないのか?
家の外観カラーパースにはきれいな外構が入れてあるのに、契約前に外構見積もりの話しをする建築会社は非常に少ないです。
その理由は、お客さんが外構の予算まで考えて不安になり、他の安い会社に行かれてしまうのを防ぐためです。
この業界はいかにお客さんに安く思わせて契約してもらうかに、力を注いでいる会社や営業マンが数多くいます。
そういう人たちにとって外構の予算はできれば気付いてほしくないものなのです。
そのため自分から動かないと外構の予算を知ることは出来ず、予算オーバーの危険が高まるので注意をしましょう。
外構を家の完成時に作るか後で作るかの違い
外構工事のタイミングとしては、家の完成時やその直後までに外構は出来上がっているというケースと、引っ越してしばらく生活してから外構をするというケースがあります。
当然予算の準備の時期が違いますが、他にもメリット・デメリットがあるのでご紹介します。
家と同時に外構も完成させるメリット
完成時に外構ができていると見栄えが良い
これが我慢できるかが、外構の工事タイミングの大きな分かれ目です。
初めは家の完成時に外構ができていなくても気にしない、という人もいるのですが、いざ完成すると友人知人が来るようになり、やっぱり気になるのでやります!という方が多いです。
外構も住宅ローンに組み込める
前にもお話しましたが、家のローンと同時なら外構分も一緒に借りることができます。
確かに金利はかかりますが、とにかく手持ち金がないけど外構までやっておきたい、という方にとってこれは大きなメリットでしょう。
家と同時に外構も完成させるデメリット
工期が余計にかかる
家の完成前にできる外構工事もあれば、完成後でないとできない外構工事もあります。
例えば狭い敷地でのカーポートや門などで、家が完成しても数週間は工事が続き、家だけの場合より工期がかかります。
子供の学校の都合などで一刻も早く引っ越したいギリギリスケジュールの方は注意しましょう。
外構にこだわり過ぎると家が小さくなる
家は意外と制約が多く自由にならない反面、外構は手頃に夢を実現しやすいので、ガレージを作りたいとかサンルームをお茶できる豪華仕様に、など熱くなってしまう方がいます。
しかし外構に予算をかけ過ぎると家が小さくなったり、設備や造りを削りすぎて使いにくく住みにくい家になる恐れもあります。
住んでしばらくしてから外構を作るメリット
住んで使い方を確かめてプランニングできる
初めての土地だとどう歩いたら楽かや、どこに自転車やゴミ箱を置くか、外からの視線など、住んでみないとわからないことがたくさんあります。
引っ越してしばらく生活すればそれらがわかるので、こうしておけば良かったという失敗を防げます。
初期費用を全て家に回すことが出来る
新築時の予算を全て家に回せるのも大きなメリットです。
外構のために家の希望を削ることがないので、家の満足度は上がるでしょう。
逆に住んでから外構の予算を貯めていくのも、◯年後に◯◯万円貯めると計画が立てやすいです。
住んでしばらくしてから外構を作るデメリット
雨の日に車や靴が泥んこになる
外構が後だと見栄えが悪いだけでなく、地面の状態によっては車や靴が雨の日に泥だらけに。
冬の乾燥期は土ぼこりが舞い、車や自転車に積もってしまいます。
雑草も生えやすく土の面積も広いため草むしりは大変で、このために外構をやる人もいるくらいです。
見た目を気にしないという方でも、これらの点には悩まされるでしょう。
いつまでたってもそのまま
家が完成してしばらくしてから外構やると言った方で、意外にいらっしゃるのがこのパターンです。
お金を貯めてもその度に他に使う必要が出てきてとか、新築しているときは盛り上がっていたけど、引っ越して普段の生活が始まったら気持ちが冷めてしまった、などが多い理由です。
本人たちに異論がないならデメリットではないのですが、何年経ってもそのままだとちょっと寂しいものがあります。
まとめ
新築の外構見積もりは正確な金額を知るための着工前後だけでなく、大まかな見積もりを契約前にも取ることで予算オーバーを防ぐことができます。
また外構も住宅ローンに組み込むなら、着工前後ではなく図面決定時に見積もりを取るようにしましょう。
営業マンや住宅会社の中には、外構にも予算が必要だと気付いてほしくない者もいます。
そのため契約前は自分から動いて外構の大まかな見積もりを手に入れることが、予算オーバーを防ぐためには必要です。
しっかりと必要な予算を把握し、無理なく希望の外構を実現させましょう。