IHとガスどっちがいい?営業マンが教える本当のメリット・デメリット

IHは電気の力を使って鍋やフライパンを発熱させる調理器具で、新築の多くの方が選んでいます。

しかしこれからの方にとってはガスとどっちがいいのか、デメリットはないのか、悩むところ。

そこでポイントを絞って実体験を交えながら、IHの選び方をお伝えします。

ガスと比べたIHのメリット

掃除がしやすい

IHの表面は平らでデコボコが無く、掃除が非常にしやすいのが特徴です。

ガスも昔に比べると平らな部分が増えましたが、どうしてもガスが吹き出す部分とゴトクと呼ばれる鍋を乗せる台部分が飛び出していて、その掃除はやはり面倒です。

こまめに掃除をすればいつもキレイにできますが、だからこそ掃除は楽な方がいい!


我が家は賃貸時代はガスでしたが、どうしても細かなところの掃除がやりにくく、ついついサボりがちでした。

しかし新築でIHにしてからは調理と洗い物が終わった後に、キッチンの上を拭くのと一緒にサッとIHも毎回拭いています。

この「気軽にサッと」拭ける点がIHの最大のメリットと感じています。


燃え移りの心配なく安全

IHと違いガスは火が出ているので、コンロにあふれたりこびりついていたりする油、コンロのそばに置かれたタオルや布巾、キッチンペーパー、フタをしていない使用済みの油などに火が燃え移り、火事になる危険性があります。

さらに最近注意が呼びかけられているのが、高齢者の方の衣服への火の燃え移りです。

袖口などに火が付いてしまい大きな事故に繋がる例がおきており、行政からも注意喚起がなされています。

どうしても年を取ると注意や動きが散漫にりますし、さらに高齢者の方に多い白内障になると青い炎が見えにくいといううことも重なって、袖口やエプロンに火が付いてしまうようです。

これらの心配がないのもIHの大きなメリットでしょう。

一方でよく聞く「天ぷら鍋を火にかけて放置してしまい発火」という点ですが、これはIHでも放っておけば火がつくのは一緒です。

しかし最近のガスコンロやIHは、異常高温になったら火や電気がストップするようになっているので、天ぷら鍋の発火の危険性はIHもガスコンロも違いはありません。


調理中は暑くない

皆さんは夏に料理を作っていると暑くなりませんか?

冬は良いのですが、ガスだと夏はとにかく暑くなりますが、IHではかなり暑さがやわらぎます。

鍋などが発熱するので全く暑くない訳ではありませんが、ガスの時とは暑さが段違いです。特にキッチンはエアコンの向きによっては冷房が届きにくく、賃貸時代の我が家はガスだったので夏は汗だくになって料理をしていました。

ただしこれは個人差があるようで、寒がりの女性の方に聞くとガスでも夏暑くはない、という方も結構いらっしゃいました。

ですので、もし今ガスで夏は暑いと感じている方なら、IHにるすとその暑さが弱まると言えます。


ガスと比べたIHのデメリット

停電の時に使えない

災害時などの停電時に使えないのがIHの最大のデメリットではないでしょうか。

ガスコンロは乾電池で動くので、災害時でもガスが供給されてさえいれば使えます。

最近では東北の震災時やその後の計画停電、あるいは台風や大雨による災害時も長時間の停電が起きています。

我が家も計画停電のときは子供も小さかったので、熱を使った調理ができないのはかなり不便でした。

万一に備え蓄電池を準備するという手段もありますが、IHに使える高出力タイプは非常に高額です。

IHの停電での対策として、我が家ではカセットコンロとそのガス缶を多めにストックしてあります。


炙りができない

IHは上に置いた鍋自体が発熱する仕組みなので、何も置かなければ熱を発しません。

そのためガスのようにスルメや、湿気ってしまった海苔をパリパリにするためなど、炙ることができません。

お餅を焼くのもできないので、そのためにはグリルを使うかオーブントースターが必要になります。

これらを解消するために、三口IHの奥の口は赤く光って熱を発するラジエントヒーターになっているモデルもあります。

これならスルメや海苔を炙ったり、小さな網を乗せてお餅を焼いたりすることはできます。


持っている鍋が全部は使えないかも

結構勘違いされている方が多いな、と感じるのが「IHにしたら専用の鍋やフライパンに全部買い換えないといけない」という点。

そんなことは全くなくて、磁石が底にくっつく鍋・フライパンなら、買い換えなくても今持っているものが使えます。

IHにしたお客様の話しを聞いたり、体験談のブログを検索したりするとわかりますが、磁石の付かない鍋・フライパンは少数派です。

確かにお店に行くと売っている鍋に「IH対応」と書いてあるので、「ああ、うちのはIH対応ではないからきっと使えない」と思ってしまいますよね。

「IH対応」とは確実にIHで使えますよ、という意味で、昔買った「IH対応」と書いてなかった鍋でも、多くのものは使えるのです。

また昔はアルミ鍋、銅の鍋がIHでは使えなかったのですが、現在は「オールメタル」という機能(標準的なIHにプラス1〜2万円)を持ったIHにすれば使うことができます。


海外製の鍋などは非対応も多い

我が家の場合はIHになった時に試してみたら、8個あった鍋やフライパンの中で2個が使えませんでした。

一つは傷んできていたヤカンだったので良かったのですが、もう一つは頂きもので未使用だったT-fal。

新居になったら使おう!と楽しみにしていたいので、ちょっとがっかりでした。

海外製のメーカーはIH非対応のものも結構ありますので、購入時には注意しましょう。


IHの失敗しない選び方

IHを決める前にどういったIHにした方がいいのか、決めるポイントをご紹介します。

どれも一緒でしょ、と思わずにしっかりチェックしてから選ぶと、とても楽に快適に使えますよ。


グリルは最大のチェックポイント

グリルを結構使う方は、上下に熱源のある両面焼きになっているかが大きなチェックポイントです。

金額を抑えたIHだと上だけというものもあり、上下に熱源があるものは焼ける時間やパリッと焼けるかが大違いです。

例えばPanasonicの、上は従来のヒーター下はIHの「Wフラット」は非常に火力が強く、しかも中が凹凸が無くフラットなのでお掃除もとても楽です。

またPanasonicや日立は焼く食材を乗せる部分が、網ではなく深めのホットプレートのような深めのお皿状になっていて、洗うのがとても簡単。

いずれも熱効率が良いだけでなく、庫内も器も掃除が楽になっていて、グリル=掃除が大変という常識をくつがえしてくれます。

とにかくIHのグリルを選ぶ際は、「両面か?」と「掃除は楽か?」をチェックするようにしましょう。


真ん中奥の◯はIHがおススメ

IHには手前に大きな◯が2つ、真ん中奥に小さめの◯が一つで、全部で3つの温める口がありますが、この奥の◯がニクロム線が赤く発熱して温めるラジエントヒーター(以降ラジエント)か、IHかの違いがあります。

ラジエントはそこが発熱するので、どんな鍋でも使えますし海苔やスルメを炙ったりできるメリットがあります。

あるいはどうしてもIHでは使えない鍋を乗せたい(小さいものしか乗りませんが)という方も、ラジエントが良いでしょう。

しかしラジエントは熱効率が悪くIHよりも料理に時間がかかること、また原理はドライヤーと一緒なので電気代が高いと言うデメリットがあります。

一方でラジエントに比べ1〜2万円高くなりますが、その奥の小さな◯もIHになっている「三口IH」もなら熱効率も良く、小さめの鍋やヤカンなら調理をメインに使えます。

奥の◯を使ってみての実感

我が家が家を建てたころは奥の◯がIHというモデルは少なく、しかも非常に高価だったので、奥の◯はラジエントになっています。

しかし子供の成長によって、量を短時間で作らなければいけない時が増え、奥の◯に片手鍋などを置けたらな〜と思うこともしばしばです。

こういった需要からか現在どのメーカーも奥の◯はIHが主流で、ラジエントも無いわけではありませんが少数派です。

我が家も今選ぶとしたら1〜2万円程度の差なら、奥の◯もIHの「三口IH」にしたと思います。


火力は3.0kwが主流

IHの熱を起こす力=火力は大きく分けると3.0〜3.2kwと2.0〜2.5kwがあり、3.0kw〜のほうが断然パワーがあっておススメです。

例えば野菜を使った炒めものときにそのパワーを発揮すると、シャキッと美味しい野菜炒めになります。

あとはとにかく急いで料理を作りたい時もその効果は大きく、共働きの方にもおススメです。

もちろん少し電気代はかかる訳ですがそれは最大火力にした時であって、常に3.0kwで使う訳ではありません。

電気代を抑えたければ普段使いには十分な中火で料理をして、ここぞと言う時に高い火力を使うと良いでしょう。

現在はどのメーカーのIHでも2.0kwのモデルは非常に少ない上に、3.0kwでも低価格モデルなら実売が5万円を切るので、2.0kwモデルにしたからと言ってガクッと金額が下がる訳ではありません。

そのため一般の方にとって2.0kwを選ぶ理由は特にないのが現状です。

ただし軒数の多い建売などでは、1軒で1万円安いだけでも会社として10軒分仕入れれば10万円削れるので、結構2.0kwのIHを見かけます。

高火力による料理の出来上がりや調理時間を重視したい方は注意しましょう。


幅75cmが選ばれる理由と注意点

IHの幅は60cmと75cmの2種類があり、一般的なのは60cmですが、75cmは少し大きめの鍋やフライパンを置くと余裕があります。

60cmでも料理ができない訳ではないのですが、このわずか15cmのゆとりが結構大きいのです。

現実的には新築で75cmを選ぶ方は少ないのですが、IHメーカーのラインナップには75cmがずっと残っていて、しかもメインモデルは必ず60cmと75cmの両方が選べるようになっています。

なぜあまり選ばれない75cmがずっとあるのだろう?と不思議に思っていました。

しかし以前IHメーカーの人に聞いたところ、一度75cmを選んだ人は必ず買い替えの時も75cmを選ぶため、需要が結構あるそうなのです。

75cmのガスも昔からあって、寿命がきて買い替えでIHにするけど75cmだけは譲れない、という方も多いとのこと。

交換で75cmを60cmに変えることもできるのに、わざわざ値段も高めな75cmを選ぶのは、それだけ快適だと言うことでしょう。

興味のある方は実物で体感を

もしゆったりと調理したいな、という方はメーカーショールームや大型電気量販店、大型ホームセンターなどで、実際の大きさを見て体感することをおススメします。

これはカタログやスマホの画面を見るだけではわからない点です。

ただ一つ注意してほしいのはIHを大きくしただけ、キッチン上面の作業スペースが狭くなることです。

作業スペースを優先する場合はやはり60cmが良いですし、もしIHで75cmを選ぶなら、キッチン本体は上面にゆとりのある270cm幅のものを必ず選びましょう。


まとめ

今回あげた点を、一番IHを使う人が重視する順番に並べてみると、選びやすくなります。

この「重視する順番に並べる」は、家のあれこれを考える時にとても役立ち、頭の中が整理されるのでおススメです。

その上でネットの意見だけでなく、家族やすでに使っている周りの人の話しも聞いて選びましょう。

とにかくメリットが大きいIH、我が家はおススメです!

IHのポイントまとめ

●ガスと比べたIHのメリット

・掃除がしやすい

・燃え移りの心配なく安全

・調理中は暑くない

●ガスと比べたIHのデメリット

・停電の時に使えない

・炙りができない

・持っている鍋が全部は使えないかも

●IHの失敗しない選び方

・グリルは最大のチェックポイント

・真ん中3つめの◯はIHがおススメ

・火力は3.0kwが主流

・幅75cmが選ばれる理由と注意点

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