せっかくの持ち家なのにアパートみたいな狭い玄関は嫌だ!でもどうやって確かめたらいいかわからない・・・という方へ、簡単に図面からどんな玄関幅になるか確かめる方法を紹介します。建ててから「狭っ!」と後悔するのを防ぐ具体的な方法を、住宅業界歴20年以上の管理人が解説します。
プランから玄関の広さを一発で知る方法
まずプラン(図面)から玄関の広さを確認する方法です。プランは難しく思いがちですが、玄関のようにバリエーションが限られたパーツは、コツさえわかれば簡単に見分けられます。
まずプランを見て、薄くマス目の線が書かれているか確かめます。
プラン①
このプランでは玄関ドアの下に、薄くマス目線があります。この1マスは一辺が91cmなので、このプランの玄関のように2マスの横幅なら182cmになります。ただ実際の有効幅は、両側の壁の厚みのぶん約15cmほど減りおよそ167cmになります。
(家の構造によって有効幅多少変わるため、正確に知りたい方は建築会社に確認しましょう)
もしマス目線がない場合は、プランに書いてある室内のドアの大きさを目安にします。
現実的なサイズの家なら、大抵の室内ドアの横幅は1マス=91cmです。なので玄関の幅が室内ドアの2倍ありそうなら167cm、3倍なら258cm(1マス91cm✕2マス−壁の厚み15cm)になります。
一般的な広さの182cm玄関と要注意の136.5cm玄関
単世帯の家で最も多い玄関の横幅は、2マス=182cmです。さきほどのプランや、上の写真の玄関が2マス=182cm。すごくゆったりというほどではありあせんが、キツキツでもないサイズです。
一方で狭い敷地に建てる家では1.5マス幅=136.5cm、いわゆる1365玄関という狭めの玄関もあります。これはアパートサイズと言って良く、人によってはかなり狭く感じるので、必ず実際に見て確認するようにしましょう。
ちなみに1.5マス幅(1365)の玄関は下の写真のようになります。
2マス玄関はどれくらい物が置ける?
ただ広い狭いは個人の感じ方もあるので、もう少し目安になるよう、どれくらい物が置けるか?を見てみましょう。
上のプランは単世帯では一般的な2マス玄関で、我が家もそうですが片側にシューズボックス、反対側が普段履きのクツが5〜6足と小さな遊び道具、虫取り網やバットなどが置けます。
シューズボックスの端に空間が少しあるとカサやホウキが置けますが、我が家はこれが無いので普段履きクツスペースにホウキなども置いてます。
さらに一時期ベビーカーもここにあり、かなり雑然としていましたが子供が小さい内だけと考えギリギリ許せる範囲でした。
でもこれを「ありえない!」と感じる人もいるので、より確実に失敗を防ぐためにも、このあと書いているように実際の建物を見ることが重要になります。
広めな3マス玄関とは
プラン②
続いて3マス幅の広めな玄関は、クツや遊び道具などを置いても空間にかなりゆとりがあります。
ただ経験から言うと3マス幅の玄関のお宅は、リビングなども広く50坪以上の大きなお宅がほとんどでした。
もしこのサイズの玄関を取るなら、他の部屋もゆとりがないとアンバランスになるのは注意点です。
またプランを良く見るとわかりますが、実は物を置くスペースは2マス玄関とそれほど変わりません。
ここで玄関の広さを考える上で整理して欲しいのが、自分は横幅が狭いのが許せないのか?物が雑然と置いてあるのが許せないのか?どちらなのかです。
横幅がある方が開放感は当然アップするのですが、物が雑然と置かれていたらどうか・・・
例え広い玄関でも物が散らかって見苦しいければ、魅力は激減ではないでしょうか。
そこでここ数年で人気が集まっているのが、玄関の収納を別に取る玄関です。
クローゼットのある玄関
上のプランは掃除道具や遊び道具、ベビーカーなどをしまう用の収納を取ったもの。
玄関の広さは2マスで一般的ですが、タイル部分に物が置かれないのですっきりし、広く感じます。
収納を含めるとプラン②と同じ3マス玄関ですが、生活感を出したくない方はこちらもおススメです。
さらにこちらはお客さんを通したり応対する玄関と、家族が通り物を置く玄関を分けています。
両方合わせて前で広めと紹介した3マス玄関と同じ幅。
入ってすぐの空間は1.5マス幅ですが、家族のクツや遊び道具、さらにシューズボックスすら無いのでスッキリしていて狭さを感じさせません。
やみくもに広くするよりこちらの方が物を隠せることもあり、とても人気があります。
お客さんが来る!となったらすぐに物を隠せて、掃除も半分すれば良いのです。
さらに家族側玄関へ行く通り道にスライド扉を付けて、完全に閉じることも可能。
生活を重ねていくとお子さんの靴や遊び道具、趣味のスポーツグッズなど、どうしても家の中に上げられない物が増えていきます。
もし広い玄関が取れてもそれらで雑然としていたら嫌だな・・・そんな人にはピッタリのプランです。
ただ玄関ドアから入った空間自体が広〜く欲しい!という方の場合は前に説明した3マス玄関がおススメです。
空間を広くしたいか物を出しておきたくないか、我が家はどちらか家族で話し合っておくと良いでしょう。
広さの感じ方は人によって違う!確実な確認法
見方をいろいろと説明しましたが、最も注意したいのは「広さ」は人によって感じ方が違う点です。
同じ玄関でもある人は広く感じ、また別の人は狭く感じることが良くあります。
プランでいくら確認しても、結局は実際に見てみないとそれが自分にとって広いか狭いかわかりません。
そのため後から狭い!という失敗を確実に防ぐには、一度で良いので2マス、3マスの玄関を実際に見ておくことが大切です。
友人宅などでマス目の書いてあるプランを見せてもらいながら確かめるのも良いですし、建売分譲など現実サイズの見学会でも確かめられます。
この時のポイントは必ずマス目の入ったプランを手に持ち、この玄関は2マス、あるいは3マスと確かめながら見ることです。
(中には1.5マスや2.5マスといったレアケースもあるので注意しましょう)
これによって「我が家は2マスがいいな」とか「3マスは必ず欲しい」と、必要な広さが具体的になり、さらにそれが家族間でも確認できます。
意外と広さや窓サイズ、あるいは色などは家族でも食い違っていることがあり、一緒に現物を見てみないと気付かないものです。
モデルルームで確かめるのはやめておく
サイズを確かめる上で注意して欲しいのは、住宅展示場のモデルルームで確認しないことです。
モデルルームの玄関は4マスとか5マスとか現実離れした広さなので、そこで2マスの玄関はこれくらい、と確かめるとすごく狭く感じてしまいます。
モデルルームはあくまで、その会社がどんな家を建ててるのか?を見るところです。
広さの確認は現実サイズの家でしましょう。
ただ小さな工務店や大工さんなどは、モデルルームがなく見られる現場も非常に少ないため、何も見ずに設計を進めていくことになり、玄関以外でもリスクがあります。
その場合は必ず前でお話ししたように、友人の家や建売の見学などで確認するようにしましょう。
本当は狭い、を知られたくない営業マン
最後に脅かす訳ではありませんが、ちょっと注意して欲しいのが営業マンです。
誰でもそうですが家はできれば安い方がいいと思っていて、品質やデザインも大切ですが、それが同じなら安い方がいい。
そこで売りたい気持ちが強い営業マンはお客さんの気を引くために、あの手この手で懸命に金額を削って安くします。
この場合で手っ取り早く安くできるのが、実は家の面積を小さくすることです。
1坪という畳2枚分の面積を小さくできれば50〜60万、2坪小さくできれば100万以上簡単に金額を減らすことができます。
ただし無理に面積を削れば当然、狭かったり使いにくかったりする家になります。
しかし営業マンの中には面積を削りつつ狭くなったことを気付かれないようにプレゼンする人がいます。
お客さんはプランだけ見てもどれくらいの広さかわからないので、そこに付け込むわけです。
建売なら実際に見られるのでごまかせませんが、注文住宅の場合は出来上がるまでわからないので要注意です。
大手メーカーだから大丈夫?
いえいえ誰でも知っているメーカーでも「これはないだろ〜!」と思わず言ってしまうようなプランを何度も見ました。
もし窮屈なプランに感じて「狭くないですかね?」と聞いても、口のうまい営業マンに自信たっぷりに「全然だいじょうぶですよ。」と言われると信じてしまいます。
また社長さんが直接プレゼンをする個人工務店や大工さんの中にもそういった人はいるので、メーカーの営業マン以外でも注意しなければなりません。
やはりどんな相手でも実際の家を見て必ず確かめることが最善の防衛策と言えます。
まとめ
玄関は家族は毎日必ず通るしお客さんにも見られる場所です。
そこが実際に建ててみたら「何これ!?狭いっ!」という失敗は避けなければいけません。
そのためにも今回ご紹介した2マス、3マスのプランの見方は必ず覚えて頂きたいポイントです。
また具体的に家の計画を進める時は必ず実際の家を見て、2マス、3マスはどれくらいか確認しましょう。
後から気付いても遅いし一生の後悔になります。
ぜひプランの段階でチェックし失敗を防ぎましょう。
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