
昔のトイレと比べてではなく、今のタンク式とタンクレスの比較で役立つメリット、デメリットを徹底的に解説しています。
隠された故障時のデメリットや、言われているほど差がない部分も紹介しているので、ありきたりのメリット・デメリットはもう知ってるよ、という方もぜひ読んでみて下さい。
タンクレストイレのメリット・デメリット
1993年に最初のタンクレストイレ「TOTO ネオレスト」が発売されたから25年以上経っていて、新しい技術のイメージがありますが結構歴史があるんですね。
新築のときに希望される方は非常に増えていて、採用されるかは別にして一度は必ず話題に出てきます。
メリット
トイレが広くなる
タンクレスは奥にタンクがないので、タンク式に比べておよそ10センチほど奥に設置することができます。
このため便器の手前が10センチほど広くなり、例えば便座に座った時の眼の前の壁やドアの圧迫感や、床を拭き掃除するためにかがんだ時の窮屈さが大きく変わります。
特に奥行きが図面のマス目で2マス=有効で180センチ弱を取れていないトイレの場合、より大きな差になるでしょう。
ショールームやカタログでは本体を眺めるだけなので実感しにくいですが「なるべく広いトイレがいい!」という方には結構な違いになるので、注意しましょう。
掃除が楽
タンク式の場合、タンクの上の水が出るところや下部分の凸凹したところの掃除が結構面倒ですが、タンクレスではタンクが無く凹凸がとても少ないので、拭き掃除が非常に楽です。
特に女性は奥に手が届きにくいので、この奥側の掃除がしやすいのは大きなメリットでしょう。
またタンクレスはタンクがないおかげで、奥を上から覗き込むように掃除することもできます。
ボディは凹凸のないフラットデザインなのでさらに拭きやすくなっていますが、最近のタンク式もボディはフラットなので、この点は極端にどちらが優れているというほど差がありません。
連続して流せる
タンク式は一度流すと水が溜まるまで流せませんが、タンクレスはすぐに次が流せます。
例えば家の中にトイレが1ヶ所で4人家族のお宅だと、朝の混み合う時間などは結構ありがたいはずです。
特に水圧が低いところだとタンク式は水が溜まるまでに結構時間がかかるため、時間がない時は結構イライラするようです。
逆に家の中に2ヶ所トイレがあるなら、2世帯のように人数が多くない限りはそれほどシビアに考えなくても大丈夫でしょう。
デメリット
初期費用が高い
出始めのころは高額だったタンクレスも今では各社手頃なモデルも出していて、以前ほどの差は無いのですが、それでも数万円の差額があります。
今のタンク式なら省エネ性も悪くないので「差額は◯年で元が取れる!」というほどの違いはありません。
そのためタンクレスのメリットに数万円の価値を感じるかが、分かれ目になります。
ただしトイレメーカーや資材店は、たくさん売ってくれている建築会社に対しては大きく割り引いてくれるので、タンクレスが標準やサービスだとしたら前向きに考えても良いのではないでしょうか。
手洗いがない
タンクレスを採用しない人の理由ナンバーワンはこれでした。
トイレの後に手を洗う場所がないと実際不便ですし、家族は洗面所で洗えばいいですが、お客さんを洗濯機のある洗面所に通すのは抵抗ありますよね。
トイレ本体と別に手洗い器を付けることもできますが、最低でも5万円前後の金額がプラスになります。
また手洗器を付けるには少しトイレを広くしなければいけないケースもあります。
そこで洗面台と脱衣場を別々にし、例えば洗面台をトイレを出てすぐの廊下に付けて、お客さんにそこで手を洗ってもらうという方法もあります。
我が家もそうですが、これなら洗濯機や洗濯物を見られる心配はありませんし、トイレ内に手洗いがなくても大丈夫です。
水圧が低いと使えないこともある
タンクレスは水道の勢いを使って流すため、水圧が低い地域や高台、マンションの上階などでは水の流れが弱くて流しきれず、機種によっては詰まりやすくなる恐れがあります。
一方でタンク式は溜めた水を落とす力で流すので、水圧が低くても詰まる心配はありません。(他の原因で詰まることはありますが)
ただし最近は必要な水圧が低くても大丈夫なモデルが出ていたり、ブースターと呼ばれる補助器具を追加(2万円くらい)して対応できたりして、昔のように2階に付けるのは無理と一概に言えなくなっています。
ちなみに水圧が強弱のは、お風呂のシャワーを全開にして床にシャワーヘッドを置くことで調べられ、シャワーヘッドが水の勢いで動くようなら、水圧がある程度はあることになります。
ただし正確ではありませんので、心配な方は水道業者の方に必ず確認してももらいましょう。
停電したときに使いにくい
タンクレスでは水を流すのに電気が必要なのですが、停電はそれができなくなります。
本体の奥に隠れているレバーや紐を引いて流すことはできるので使えない訳ではないのですが、いつも通りに使えるタンク式トイレとは大違いです。
1階をタンクレスで2階はタンク式にする人の中には、この停電対策のため、という方も結構いました。
ただしタンクレスでも新しい機種では、電池を使って流せるように対策が取られています。
2019年8月時点ではTOTOとPanasonicは標準で(機種による)で、LIXILはオプションで電池で流す機能に対応しています。
自然災害が心配な方は確認してみると良いでしょう。
便座+ウォシュレットの交換が高い
もしウォシュレットや暖房便座が故障しても、タンク式なら電気屋さんやホームセンターで安く売っている便座+ウォシュレットに簡単に交換できます。
ところがタンクレスの便座+ウォシュレットは専用品になっているので、交換の場合はその高めな専用品を使うしかなく、しかも修理に時間や費用がかかりがちです。
さらにその専用品が年数が経って廃盤になってしまえば、トイレ本体はまだ使えても全部交換になる可能性もあります。
メーカーの専用品以外でも交換できて、専用品が廃盤になっても使い続けることができるタンク式とは大きな違いです。
これは地味ですが長い目で見ると結構な出費の差になるでしょう。
タンクレストイレのまとめ
メリット
・トイレが広くなる
・掃除が楽
・連続して流せる
(トイレ1ヶ所で4人家族の朝など)
デメリット
・初期費用が高い
・手洗いがない
・水圧が低いと使えないことも
(が改善策あり)
・停電では使いにくい
(最近のものは電池で動く)
・便座+ウォシュレットの交換が高い
タンク式トイレのメリット・デメリット
最も普及していて見慣れたトイレがタンク式トイレです。
コストも手頃で使い慣れているので、間違いがない選択と言えるでしょう。
実際に新築のときに採用されるのは、まだまだこのタンク式が多いですね。
メリット
水圧が低くても詰まりにくい
タンクレスは水圧が低いと流れが悪くなり詰まることがあるのですが、タンク式は水をタンクに一度溜めてから流すので水圧の影響がありません。
タンクレスも対策はあるのですが、水圧を調べてもらったりオプションが必要だったりするので、その点を気にせず採用できるのはタンク式のメリットでしょう。
ただタンク式でも水圧が低いとタンクに水が溜まるのに時間がかかるので、後でも触れている、続けて流したい時に待つ時間が増えることにはなります。
停電でも使える
タンク式は停電しても問題なく使えるので、災害が気になる最近では大きなメリットです。
ウォシュレットは使えませんがそれ以外は問題なしです。
初期費用が安い
最近はタンクレスも値段が下がってきたとは言えまだまだ金額には差があり、比較的タンクレスが安い場合でも5万程度、高機能タイプとだと10万円近い開きがあるのが現状でしょう。
とにかく価格を抑えたいというのであれば、用は足せますからタンク式でも十分です。
便座+ウォシュレット交換が安い
便座の暖房機能やウォシュレットが壊れて交換となった場合は、タンク式は簡単に安く交換できます。
しかも大抵のものが自分で交換することさえ可能なので、10,000円〜15,000円程度の工賃を浮かすこともできます。
デメリット
トイレが狭く感じる
タンク式トイレは奥にタンクがある分、タンクレスに比べ10センチちょっと手前に来るのですが、意外にこのわずかな違いで、トイレに入った時に印象が違います。
もちろんタンクも圧迫感があり、この2点のおかげでトイレが狭く感じます。
特に気にして欲しいのが、マンションやコンパクトサイズの住宅でよくある前後の詰まっているトイレの場合で、便座に座った時に目の前のドアや壁がタンクレスに比べ近くなるので、かなり圧迫感を感じます。
トイレはゆっくりリラックスして座りたい、という方はこのトイレの前後サイズをチェックしてからタンク式を選ぶようにしましょう。
奥の掃除がしにくい
タンク式の場合はやはり奥のタンク周りが掃除がしにくいです。
どうしても奥まっているし、ジョイントの隙間や凸凹も多いので、隅々まできれいにしたいという方にとっては掃除が非常に面倒に感じるでしょう。
特にタンク下はしゃがみこんで結構手を伸ばさないと奥まで手が届かないので、小柄な女性だと拭くこと自体が大変だと思います。
これがタンクレスだとタンクがないので、上から覗き込むように裏側を掃除することが可能です。
実際にやってみるとこの奥の方の掃除はタンク式はかなり大変に感じます。
タンク式トイレのまとめ
メリット
・水圧が低くても詰まりにくい
・停電でも使える
・初期費用が安い
・便座+ウォシュレット交換が安い
デメリット
・トイレが狭く感じる
・奥の掃除がしにくい
デザインは考え方次第
デザインがすっきりしていてスタイリッシュというのはタンクレスの大きな特徴です。
金額も大切だけど見た目の満足度も家には必要、という方にとってトイレは毎日使うところなのでぜひ取り入れたいところです。
コスト面のデメリットはありますが、建てる時なら出せる範囲の金額差でしょう。
一方タンク式のトイレは、たしかにタンクレスと比べるとおしゃれではないかもしれませんが、昔に比べればスッキリしていますし用は十分に足せます。
掃除がしにくいと言っても、まだまだタンク式のトイレを選ぶ方が多いので、ほとんどの方はそれでお手入れをしているのです。
つまりデザインに関しては、家に何を求めるかで判断は変わるはずです。
デザインも家の大切なポイントで、スタイリッシュにできるなら多少の出費はOK、という方もいれば、実用性が足りていれば十分で、必要以上にデザインにコストをかけるなら他に回す、という方もいるわけです。
これはとちらが正解というわけではなく、家をどういうものとして考えるかの違いと言えるでしょう。
言われているほど差がない点
節水能力
1回流すときに使う水の量が、古いタンク付きのトイレはだいたい15リットル弱、タンクレスはだいたい4リットル前後です。
古いトイレと比べると約1/3なので年間で1万円以上の差ができます。
ただ今のタンク式トイレも1回の水量が5リットル前後と、決して節水能力は悪くありません。
タンクレスと費用を比べても年間数百円程度の差なので、タンクレスの節水機能は今はどのメーカーも前面に出して宣伝していません。
現在は比較する上で、節水能力は重視するポイントではないと言えるでしょう。
断水時の使い方は実は同じ
断水時にタンクレストイレは流せず、バケツで水を便器に一気に流し入れなければならないので大変、タンク式はタンクに水を入れればいつも通り流せる、という解説を見かけます。
確かにその通りなのですが、実際にタンクに水をバケツで入れてみると、すごくやりにくい上に力が必要で、特に女性だと大変なのがわかります。
タンク式でもバケツで水を持ってきたら、そのまま便器に水を流し入れた方が絶対楽なので、結局タンクレスでもタンク式でもやることは同じです。
ですので災害時に使えるか?で2つを比較する時は、タンクレスの停電対策はどうなっているか?についてをチェックするのが大切になります。
まとめ
こうしてまとめてみると、タンクレスはスタイリッシュだけどもう少しデメリットを改善してもらえるといいな、というのが正直なところ。
目をひくアピールポイントはありませんが、タンク式は実用性がしっかりしている優等生と言えるでしょう。
しかし私が見た時に思わず「欲しい!」と感じてしまったPanasonicの「激落ちバブル」のように、最新の技術がどんどん投入されているのはタンクレストイレです。
下にまとめた項目を参考に、大型のホームセンターや家電量販店などで実物を見てから検討することをお勧めします。
●タンクレストイレのまとめ
・メリット
・トイレが広くなる
・掃除が楽
・連続して流せる
(トイレ1ヶ所で4人家族の朝など)
・デメリット
・初期費用が高い
・手洗いがない
・水圧が低いと使えないことも
(が改善策あり)
・停電では使いにくい
(最近のものは電池で動く)
・便座+ウォシュレットの交換が高い
●タンク式トイレのまとめ
・メリット
・水圧が低くても詰まりにくい
・停電でも使える
・初期費用が安い
・便座+ウォシュレット交換が安い
・デメリット
・トイレが狭く感じる
・奥の掃除がしにくい
●デザインは考え方次第
●言われているほど差がない点
・節水能力
・断水時は実は同じ

