家の外構(エクステリア)も失敗したくないと思っても「どこに気をつければ良いかわからない」という方が大半だと思います。しかし業者さんに提案されるままに作ってしまうと、使いにくかったり手入れで貴重な休日が丸つぶれたりする可能性があります。
新築するときに気を付けてほしい外構のポイントを、住宅業界歴20年の管理人がお伝えします。
芝生の手入れを甘くみていた
芝生はあらかじめどんな手入れが必要か、十分に知ってから植えないと後悔する可能性が高い外構です。
手入れは単に芝刈り機で刈るだけでなく、種類によっては5月から9月にかけて週に一度くらいのペースで刈る必要があります。そのため毎週の休みうち数時間は、芝刈りをする覚悟をしなければなりません。この時期は成長が早いので少しでも休むとすぐに伸びるうえに、成長してから刈ると茎の中央で切って枯らしてしまう種類もあります。
暑い夏はほぼ毎日水やりもしなければならず、かなりのマメさが求められます。さらにこの時期は雑草もどんどん伸びてくるので、数日おきに草むしりをすることになります。芝のない土の地面に生えてくる雑草と違い、芝を抜かないように手で細々と雑草抜く作業は想像以上に疲れます。
他にも芝をきれいに保つには、目土入れやエアレーションなど想像するよりもかなりやることがあります。もちろんこれらは芝をきれいに保つ作業なので、別にやらなくてもいいという意見もあるでしょう。しかし乱雑に芝や雑草が伸びた庭になるようなら、初めから砂利やコンクリートにした方が良いと思いませんか?
芝は見た目もいやされるし、お子さんが遊ぶのにも安全で良い面もたくさんあります。しかし手入れの大変さを十分にわかってやらないと面倒になって見苦しい庭になってしまう恐れがあります。中には植えてから数年後にお金をかけて全部取ってしまい、砂利などに入れ変える方もいます。
芝生は見た目が良いのですが、刈ったり雑草を抜いたりといった庭の手入れが苦にならない、という向けの外構であることを知っておいてください。
庭木を植え過ぎてしまった
庭木の植え過ぎは芝生以上に手入れが大変です。春から夏にかけてぐんぐん伸びる木を切るのはかなり重労働で、放っておくと虫が湧くこともありサボれません。また庭木が多いと地面の土部分も多くなり、草むしりにもかなり時間を取られます。
初めは小さいし緑が多いとあると見た目も良いため、庭木を次々と植えてしまいがちです。わが家も初めは高さ1m程度の庭木を、殺風景だった庭が徐々に草木が増えるのが楽しかったため、良い木を見かけるたびに買って植えていました。
しかしそれらが成長して今は身長より高い木が10本ほどあり、枝を切るのが本当に大変です。しかも半日かけてクタクタになって切っても1月もしないうちに元通り。木の成長する春〜夏は気温も高く想像以上に体にこたえます。
若いうちは良いと思うのですが大変なのは歳をとってからです。体力的にますますきつくなるし、高い木を切るのはハシゴから落ちて大怪我する危険があります。歳をとってきたお客さんの中には、せっかく植えた庭の草木を、お金をかけてすべて抜いて砂利敷きやコンクリートに変える方もいるほどです。
初めから庭を砂利やコンクリートで埋めてシンボルツリーが一本二本あれば良いと考えていたり、木の剪定や草むしりが本当に大変というのを自覚したりしているなら良いでしょう。しかし草木が好き、ある程度あったほうが良いなと思っているなら要注意です。
当たり前ですが草木はどんどん大きくなる、大きくなると手入れが大変、年を取るとさらに大変、ということを十分にわかったうえで植えるようにしましょう。
目隠しフェンスを忘れた
道路や隣近所からの視線が気になる方は、目隠しを初めからしっかり計画して作りましょう。せっかく日当たりが良いようにと南側に道路がある土地を購入したのに、道を通る人の視線が気になりリビングのカーテンをしめっぱなしという方はたくさんいます。庭でお子さんをプールで遊ばせたい、ウッドデッキでお茶を飲みたいと考えている方も要注意です。
これは人によって感じ方が違うため、家族みんなの意見を聞いておくことが大切です。担当したお客様に聞くと、特に女性は気になる方が多かったように思います。また今までリビングの前が道路という家に住んだことがない方、賃貸の2階以上の階に住んできた方も慎重に考えましょう。
視線を遮るには目隠しフェンスや板張りフェンスと呼ばれるものが効果的です。板張りでも樹脂やアルミ製ならすぐにボロボロにはりません。ただし内側からの視線も遮られるため狭さを感じることがあります。そのため隙間が広いものを選ぶか、それでは視線を遮り切れないと考えるなら、目隠しフェンスの内側に木を何本か植えると狭さ感が多少和らぎます。
木を植えると手入れがめんどうという方は、白やシルバーなど明るい色のフェンスを選ぶと良いでしょう。あるいは板が細めの方が圧迫感を感じにくいので、そうしたデザインも検討してみましょう。これらの感じ方は個人差があるので、商品を選ぶときはエクステリアショップなどで実物を見ることをおすすめします。
家を建て住むようになってからフェンスを作るとなると、希望の場所に作れないこともあります。またお隣さんの側に目隠しフェンスを作るのは気まずく感じることもあります。このため人目が気になりそうだという方は、家を建てるときに一緒に工事してしまう方が良いでしょう。