新築注文住宅の完成までの流れと目安時期、そしてトラブル回避のツボ

わかりにくい新築の注文住宅の完成までの流れ、どれくらい期間がかかるのか、いつまでに何を決めればいいのか、を完成から逆算して◯ヶ月前までにやる!とわかりやすく一覧にしました。

また20年間お客さんをお手伝いしてきた経験から、それぞれのリアルな注意点、そして最後に予定していた流れを狂わす3大要因もご紹介。

事前に知って希望日に入居し予定が狂わないよう準備しましょう。

打ち合わせ期間(完成10ヵ月前)

それでは契約が済んでから完成までを大きく

・打ち合わせ期間

・図面決定から着工までの間

・着工から完成まで

の3つに分けて解説します。

※完成◯ヶ月前、は平均で、建ててくれる会社によって違います。

地盤調査

まずは契約すると打ち合わせ前に、まだ行っていなければ敷地調査、地盤調査を行います。

地盤調査はある程度、建築業者に任せてオッケーですが、最初だけでも立会いはしましょう。

見ておくと強い弱いがある程度わかるので、補強費用が必要と言われた時に納得度が違います。

敷地調査

敷地調査は境界を確認するので必ず建築主、地主(建築主と別の場合)で立ち会いましょう。

買った土地の場合は別ですが、親の土地などでアバウトだった境界がはっきりします。

不明確とわかったり隣の家と揉めたりすることもありますが、それも家造りの一環です。

また境界の他にも高低差や水道管の位置、排水先、法規制なども調べています。

プラン打ち合わせ

担当設計とプランの打ち合わせ開始です。

間取りの他にも敷地調査を元にした配置を決めたり、駐車スペースを決めたりしていきます。

何回で決まるかはお客さん次第ですが、間取りは5〜6枚くらい、配置決定まで入れると7〜8枚くらいが一番多いです。

週に一度のペースで2ヶ月くらいですが、割引適用のためには◯日以内に決定とか、◯枚以上は追加料金など、早く決めさせようとする会社もあるので、じっくり考えたい方は契約前に確認しましょう。

間取り以外の決めごと

まず引き渡しまでのスケジュールを初期段階で決め、設計の人に表にしてもらうと良いでしょう。

図面の決定時に作るという会社もあるようですが、それでは全く遅いです。

引き渡しの具体的な希望日があればはっきり伝え、スケジュール表に組み込んでもらうようにしましょう。

配置は間取りにも影響しますし水道関係や盛土の費用=予算にも関わるので、敷地調査(測量)が終わったら早めに取り掛かり、間取りと平行して決めていきましょう。

設備やエアコンは設計にも影響するので、間取りと平行して決めていきます。

間取り決定後にこれらを変えると、図面も変更になりスケジュールに影響する場合があるので注意です。

屋根や床の色なども発注の関係があるので、この後の建築確認申請あたりまでに決める会社が多いと思います。

図面の打ち合わせ後半には家の外観のカラーパースを作ってもらったり色見本を見せてもらったりして、徐々にイメージを絞っていきましょう。

図面決定(完成6〜8ヶ月前)

ほとんどの会社で「この日までに完成させたいなら、いつまでに図面を決定」という締め切りが決まっているので、打ち合わせ最後の方は結構忙しくバタバタします。

それでも満足の決定になる方、こんなものかな?とフワッと決まる方、と色々です。

しかし最も避けたいのが、納得していないのに締切のために無理やり決めてしまう「見切り発車」。

この記事では契約から完成まで10ヶ月で書いていますが、スタートを早くすればするほど「見切り発車」は防げることは覚えておいて下さい。

壁紙や照明器具(着工までに)

これらの決定は着工までという会社が多いです。

自分で買った照明器具を付けてもらいたいという方は、たまに工事で準備が必要な物があるので、この時期にはそれを伝えておきましょう。

またその器具はこの時に買って自分で保管をしておくと良いです。

取り付けは工事の後半でずっと先ですが、それまでに品切れや廃盤になって入手できなくなることが結構あります。

図面決定から着工までの間

図面が決まってホット一息、といきたいところですが、やることは結構あります。

特に資金計画の決定は最重要ポイントです。

建築確認申請(完成6ヵ月前)

こういう家を建てますよ、という申請を行政に出します。

お客さんの方でやることはあまりありません。

許可が下りると会社側は材料発注などの準備に入ります。

資金計画の決定(完成6ヵ月前)

お客さんの側は現段階での全て入った見積もりを出してもらい、全体の資金計画をほぼ決定していきます。

ここまで決めなければいけない主なものは以下の通りです。

・自己資金の額

・借り入れる銀行

・借り入れ額と返済年数

また、親などからの援助がある場合、額によっては借り入れを減らせるので、受け取るタイミングは後でも、額は確定しておきましょう。

着工金の支払いや銀行ローンの手続き(完成5ヵ月前)

この段階で着工金として総金額の1/3を入れることになる会社が多いです。

自己資金で間に合うなら良いですが、足りない場合は銀行に行って融資の手続きです。

上棟時にローンが実行される銀行なら融資の本申込み、そうでないならプラスつなぎ融資の申し込みをします。

ローンの手続きはメーカーであれば大抵は営業マンが手伝ってくれるはずですが、中にはローンはお客さんに丸投げの営業マンもいますし、中小の工務店や大工さんはもともとローンにはタッチしないところも多いです。

お客さんだけでも出来なくはないですがかなり大変なので、自信のない方は契約前に必ずローンをどこまで手伝ってくれるか、建築会社に確認しておきましょう。

地鎮祭(完成5ヶ月前)

着工前は人によりますが地鎮祭を行います。

地鎮祭は神主さんを呼んで工事の安全無事を建築地で祈願します。

大抵は三隣亡を除いた大安にやりますが、信心深いご両親がいる方は希望日がないか、聞いておきましょう。

強い希望日を持つ方もいて、そういう日は神主さんの予定もいっぱいなので、この時期よりもっと前にご両親に聞いた方がいいです。

気持ちの問題ですが、地鎮祭をやらない人は少ないです。

お客さん本人はやらなくてもいいと思っても、親御さんに絶対やっとけ、と言われてやることになる場合もあります。

近隣挨拶(完成5ヶ月前)

近隣挨拶は工事期間中うるさくはしてしまうので、隣近所の方に簡単に一言挨拶をしておきます。

やっておくと工事中のクレームが大分減り、引越し後の印象と良くなります。

個人的にはお客さんも一緒に挨拶しておいた方がいいとは思いますが、建築業者に任せるお客さんも年々増えています。

地鎮祭をやるならその後に建築会社の人と一緒に回ると何度も足を運ばずに済むのでお勧めです。

営業マンや監督の中には「後で回っておきます!」と言っておいてやらない、いい加減なのもいるのでそれの防止にもなります。

着工から完成まで

この段階で急にお客さんはやることが無くなり、会社によりますがカーテンや壁紙の打ち合わせをするくらいです。

ただこの時期に現場監督と顔合わせすると思いますが、必ずその人にも完成希望日を伝えておきましょう。

新興メーカーに多いのですが、営業マンや設計に言っておいたことが監督に伝わっていない、ということが結構あります。

基礎着工(完成4〜5ヶ月前)

ここは建築会社の本当の質がわかる段階でもあるので、時間があるようなら工事の様子を見に行き、隅々まで見たり写真を撮ったりしましょう。

気になることは遠慮なく質問です。

上棟(完成3ヶ月前)

建物の骨組みを組み立て始めるのを上棟と言います。

昔はここで上棟式という地鎮祭のような安全祈願+お祝いの儀式を行っていましたが、工法が木造に限らなくなってきたことや、安全性の問題、どんどん工事を進めたい建築側の事情から、現在は個人大工さん以外はやらないケースがほとんどです。

ただせっかくなのでやりたい方、ご両親がやれという方、地域柄やらないわけにはいかない方、はスケジュールを組む段階で必ず建築会社の人に伝えておきましょう。

上棟金の手配と支払い(完成3ヶ月前)

ここで建築会社に上棟金、あるいは中間金と呼んでいる代金の一部(1/3が多い)を支払います。

ローンを組む方は銀行によってはローンを実行、つまり借りたお金を振り込んでもらってもらい、そこから建築会社に支払います。

ただこの方法だと翌月からローンの支払いが始まり、賃貸の方は引っ越しまで家賃とかぶることになります。

つなぎ融資というのを組んで被らないようにすることもできますが、それはそれで引っ越しまでの間の利息を、本来の支払いとは別に払うことになります。

いずれにしても2重払いを回避するかや、つなぎの利息はどれくらいかなど、できれば契約前にしっかり建築会社と打ち合わせしておくことが重要です。

中間立会(完成2ヶ月前)

初めて家を建てるお客さんは特に不安がありますから、工事の途中で家の中を見てもらって進み具合を説明したりするのが中間立会です。

この途中を見せるというのは、いい加減な仕事をしている会社はやりたがらないので、やっているかどうか契約前に聞くと良いでしょう。

ちなみに昔は建築中の建物に「施主の親戚だ、親だ」と言って、全然知らない人が入ってくることがたま〜にありました。

職人さんはそう言われると断れず中を見せてしまっていたんですね。

たいていは近所の暇な野次馬か、その会社で建てるか検討中の人が多いのですが、泥棒の下見だという噂もありました。

とにかくどれもお客さんにとってはとんでもない話なので、現在は社員と一緒じゃないと見られないところが増えてます。

引っ越し屋の手配(完成2〜3ヶ月前)

アパートの解約や電気、ガス、水道、郵便物の手続きなどなど、引っ越しにあたってやることは山程ありますが、最も注意してほしいのが引っ越し屋の手配です。

もし年末の12月、年度末の3月が完成と引っ越しの場合、希望の日が取れないことが多いです。

特に朝イチに来てもらうのは人気が高くなかなか予約が取れません。

午後でもいいのですが、午前のお宅の引っ越しが終わったら来る、という約束になるので、1〜2時間待たされることもあり得ます。

どうしてもこの日というのがある人は早目に引っ越し屋を手配しましょう。

火災保険の検討(完成1ヶ月前)

火災保険に入るのは完成引き渡しの直前で良いのですが、色々な保険会社を比較したいならこの時期に保険屋さんの説明を聞き始めましょう。

特に最近は地震保険や水災補償をどうするかなど悩むポイントも多いので、早めの検討がおススメです。

最終確認(立会)(完成2週間前)

最終確認は、お客さんと監督や営業マンとで引き渡し直前の建物の仕上がりチェックです。

気になることは遠慮せずバンバン質問し、傷があればどんどん指摘しましょう。

大抵の会社の監督は複数の現場を持ってパンパンでやってますから、引き渡してしまうと他の現場に集中してしまって、アフターが遅れがちです。

なので引き渡し前に言っておくと対応が全然早いので、ここがチャンス!とばかりにお願いしておきましょう。

銀行手続きや登記開始(完成2週間前)

引き渡しの直前でローンの最終金を建築会社に振り込んだり、最終のつなぎ融資を組んだりと言った手続きをしに銀行に行きます。

また建物の登記を行うことになりますので準備のために結構忙しくなります。

それぞれの手続きの手順や揃えるものなどをしっかりと営業マンや建築会社の人に確認して、何度も役所に行かなくて済むようにしましょう。

この辺りの手続き関係は銀行や建築会社によってまちまちな上に結構複雑です。

そのため新人営業マンが担当だったり、担当営業マンが辞めてしまっていたりすると、かなり混乱します。

そのためお客さんの側も流れを図に書いてもらうなどして、ある程度把握しながら進めることをおススメします。

完成・引き渡し

ざっと流れを書いてきましたが、細かいのはもっとあります。

ただ大きな流れを把握するためのステップと、ちょっとトラブルとかになりそうなポイントを中心に組み立てました。

特に注意したいのは、ローンは建築会社の人は手伝ってくれるのか、お客さんのほうで基本的にやるのかです。

自分でやる場合はかなり余裕を持って銀行の手続きを行う必要があり、下手をするとその手続きがまごつくことで、完成や引き渡しがずれることがあります。

個人的には率先して手伝う、というか主導してくれる営業マンがいるかどうかで、建築の依頼先を決めてもいいくらいに思います。

ぜひ参考にして下さい。

広告

その他
スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました